消防・防災マガジン
消防設備点検の報告書はどう見る?管理者が確認したい項目を分かりやすく解説
消防設備点検を実施したあと、点検業者から「点検結果報告書」を受け取ったものの、
「どこを確認すればいいのか分からない」
「専門用語が多くて内容がよく分からない」
「不良と書かれているけれど、すぐに修理が必要なの?」
と疑問に感じたことはありませんか?
消防設備の点検結果報告書には、建物に設置されている消防設備の状態や、点検によって確認された不具合など、
大切な情報が記載されています。
しかし、普段から消防設備に関わっていない建物の管理者様やオーナー様にとっては、
すべての項目を正確に読み取るのは簡単ではありません。
大切なのは、報告書を受け取ってそのまま保管するのではなく、
「どの設備に問題があるのか」「今後どのような対応が必要なのか」を確認することです。
そこで今回は、東京・北関東を中心に消防設備の点検・工事を行っている一電機が、
消防設備点検の報告書について、管理者様が確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
消防設備点検の「点検結果報告書」とは?
消防設備点検の結果報告書とは、建物に設置されている消火器、自動火災報知設備、誘導灯、スプリンクラー設備
などの消防用設備について、点検を行った結果を記録する書類です。
消防法令により設置が義務付けられている消防用設備等は、定期的に点検を行い、
その結果を消防署等へ報告する必要があります。
消防庁では、機器点検を6ヶ月に1回、総合点検を1年に1回行うものとしています。
機器点検とは
機器点検では、主に設備の外観や設置状況、簡易的な操作などによって、設備が正常な状態にあるかを確認します。
たとえば、
・ 消火器に著しい腐食や変形がないか
・ 感知器に破損や汚れがないか
・ 誘導灯が正常に点灯しているか
・ 消防設備の周辺に使用を妨げる物がないか
といった内容を確認します。
総合点検とは
総合点検では、消防用設備等を実際に作動させるなどして、設備全体として正常に機能するかを確認します。
火災が発生した際に正しく作動するかを確認するための重要な点検です。
消防設備点検の報告書は何で構成されている?
消防設備点検の報告書は、一般的に1枚だけではありません。
建物の基本情報を記載する「消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書」に加え、
各消防設備についての点検票などが添付されます。
消防庁の様式でも、点検結果報告書には、防火対象物の所在地・名称・用途・規模、
消防用設備等の種類などを記載し、設備ごとの点検票を添付する形式になっています。
そのため、建物の規模や設置されている消防設備によっては、報告書が何十ページにもなることがあります。
管理者様が最初からすべての項目を細かく確認するのは大変です。
まずは次のポイントを中心に確認するとよいでしょう。
管理者が消防設備点検の報告書で確認したい5つのポイント
1.建物情報に間違いがないか
最初に確認しておきたいのが、報告書に記載されている建物の基本情報です。
主に、
・ 建物の名称
・ 所在地
・ 用途
・ 階数
・ 延べ面積
・ 設置されている消防設備
などが記載されています。
「消防設備の状態とは関係ないから確認しなくてもいい」と思われるかもしれませんが、
建物の用途や規模は、必要となる消防設備や点検・報告にも関係します。
特に、用途変更や増築・改修などを行っている場合には、
以前の情報のままになっていないか確認しておくことが重要です。
2.どの消防設備が点検されているか
次に確認したいのが、点検対象となった消防設備です。
建物によって設置されている設備は異なりますが、代表的なものとして、
・ 消火器
・ 自動火災報知設備
・ 誘導灯・誘導標識
・ 屋内消火栓設備
・ スプリンクラー設備
・ 非常警報設備
・ 消防用水
・ 非常電源
などがあります。
報告書には、これらの設備ごとに点検結果が記載されています。
「どの設備を点検したのか」を確認することで、
建物にどのような消防設備が設置されているのかを把握するきっかけにもなります。
3.「不良」や指摘事項がないか
管理者様に特に確認していただきたいのが、不良箇所や指摘事項の有無です。
消防設備点検では、設備の状態に問題が確認された場合、点検票などにその内容が記載されます。
たとえば、
「誘導灯のバッテリーが劣化している」
「感知器が正常に作動しない」
「消火器の使用期限・状態に問題がある」
「非常ベルが正常に鳴動しない」
「避難器具が使用できない状態になっている」
などです。
ここで重要なのは、「点検を実施した=消防設備に問題がない」という意味ではないということです。
点検は、現在の状態を確認するためのものです。
その結果、不具合が確認された場合には、その内容に応じて修理や交換などの対応を検討する必要があります。
4.不具合の内容と場所を確認する
「不良」と書かれていることだけを確認するのではなく、どの設備の、どの場所に、どのような問題があるのかまで
確認することが大切です。
たとえば同じ「自動火災報知設備の不良」でも、
・ 感知器1個の不具合
・ 発信機の破損
・ ベルの鳴動不良
・ 受信機の異常
・ 配線の不具合
など、内容によって必要となる対応は異なります。
不良箇所が複数ある場合には、
「すぐに対応したほうがよいもの」
「計画的に更新を検討するもの」
などを整理する必要が出てくることもあります。
報告書だけを見ても判断が難しい場合には、点検を行った消防設備業者へ内容を確認するとよいでしょう。

「不良」があったら、すぐ交換しなければならない?
報告書に「不良」と記載されていると、
「すぐに全部交換しなければいけないのでは?」
と不安になる方もいらっしゃいます。
しかし、不具合の内容によって必要な対応は異なります。
たとえば、消耗品の交換で対応できるケースもあれば、部品交換や設備本体の更新が必要になるケースもあります。
一方で、火災時の作動に大きく影響する不具合については、早めに対応することが重要です。
そのため、報告書を確認した際には、
「不良があるかどうか」だけでなく、「どの程度の不具合なのか」「どのような改修が必要なのか」
まで確認することをおすすめします。
以前の記事でもご紹介していますが、点検で不良が確認された場合には、
内容を整理したうえで改修方法や対応時期を検討することが大切です。
消防設備点検で「不良」が出たらどうする?改修までの流れと対応のポイント
報告書を受け取ったあとに管理者が行いたいこと
点検結果報告書を受け取ったら、管理者様には次のような流れで確認していただくことをおすすめします。
①不良箇所があるか確認する
まずは、点検結果の中に不良や指摘事項がないかを確認します。
問題がなければ、報告書を適切に保管します。
不良が確認された場合には、次のステップへ進みます。
②不良内容を確認する
どの設備に、どのような不具合があるのかを確認します。
内容が分かりにくい場合は、点検業者へ説明を求めましょう。
「不良」と書いてあるだけで判断するのではなく、原因や設備の状態まで確認することが大切です。
③改修方法を確認する
不具合によって、
・ 部品交換
・ バッテリー交換
・ 機器交換
・ 配線修理
・ 設備更新
など、対応方法はさまざまです。
必要に応じて、改修工事の見積りを依頼します。
④対応時期を決める
消防設備は、万が一の火災に備えるための設備です。
不具合を長期間放置すると、実際の火災時に正常に機能しない可能性があります。
設備の状態や不具合の内容を踏まえて、対応時期を検討しましょう。
点検結果報告書は消防署への「提出書類」でもある

消防設備の点検結果は、建物の関係者が一定の期間ごとに消防長または消防署長へ報告する必要があります。
消防庁によると、報告の頻度は建物用途によって異なり、
ホテル・飲食店・店舗などを含む特定防火対象物は1年に1回、
それ以外の対象物は原則として3年に1回とされています。
ここで注意したいのが、
「消防設備を点検する頻度」と「消防署へ報告する頻度」は同じではない
という点です。
点検そのものは、
・ 機器点検:6ヶ月に1回
・ 総合点検:1年に1回
が基本です。
「3年に1回報告すればよい建物だから、点検も3年に1回でよい」というわけではありません。
建物の用途や設備によって条件が異なる場合もあるため、不明な場合は管轄消防署や消防設備業者へ確認することを
おすすめします。
報告書は捨てずに保管しましょう
点検結果報告書は、消防署へ提出するためだけの書類ではありません。
過去の点検結果を残しておくことで、
「前回も同じ設備に不具合が出ている」
「年々バッテリーの劣化が増えている」
「そろそろ設備全体の更新を検討したほうがよい」
といった、設備の状態の変化を把握しやすくなります。
また、消防設備の点検業者を変更する場合にも、過去の報告書があることで、
設置されている設備や前回までの点検状況を確認しやすくなります。
そのため、点検結果報告書や改修工事の記録などは、まとめて保管しておくと安心です。
報告書の内容が分からないときはどうする?
消防設備点検の報告書には、設備ごとの専門的な項目が多く記載されています。
そのため、
「どこが悪いのか分からない」
「この不良はすぐ直す必要があるの?」
「交換したほうがいいのか、修理できるのか分からない」
ということもあると思います。
そのような場合には、無理に管理者様だけで判断する必要はありません。
点検を行った業者や消防設備の専門業者へ確認し、
設備の状態や必要な対応について説明を受けることをおすすめします。
一電機では、消防設備の点検だけでなく、
点検によって見つかった不具合の修理・交換・改修工事についても対応しています。
「報告書は手元にあるけれど、内容がよく分からない」
「以前の点検で不良を指摘されたままになっている」
「改修工事について相談したい」
といった場合も、お気軽にご相談ください。
まとめ|報告書は「受け取って終わり」にしないことが大切です
消防設備点検の結果報告書には、
建物に設置されている消防設備の状態を確認するための大切な情報が記載されています。
管理者様が特に確認したいのは、
・ 建物情報に間違いがないか
・ どの消防設備が点検されているか
・ 不良や指摘事項がないか
・ どこにどのような不具合があるか
・ 修理や交換などの対応が必要か
という点です。
消防設備は、普段使用する機会が少ない設備だからこそ、
火災が発生した際に正常に作動する状態を維持しておくことが重要です。
点検結果報告書を受け取ったら、そのままファイルへしまうのではなく、まず内容を確認してみてください。
不良箇所や気になる記載がある場合には、必要な対応を整理し、適切な改修につなげていきましょう。
一電機では、消防設備の点検から不具合の確認、修理・交換、改修工事まで幅広く対応しております。

点検結果報告書の内容について気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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